Archive for トピックス

マンション管理のからくり

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070905/134071/?rt=nocnt

記事は上記のURLを参照して下さい 

日本のマンション管理の「不思議なからくり」

印刷ページ

 日本で異邦人がマンションを買うことは、今ではもう珍しくなくなっています。それでも私にとっては不思議に思えることが多く残っています。

 まず日本の銀行なのですが、なぜ住宅ローンに対していまだに保証人が必要なのでしょうか。銀行は、借り手が買う物件を査定して、担保とし、融資の割合などを決めて、お金を貸すのが仕事ではないでしょうか。

 何だか、きちんとした査定をするのが面倒くさいから、保証人をつけてもらっている印象を受けます。これから外資系の銀行の影響力が増していく中で、この古い考え方では将来的にやっていけないように思います。

 日本のマンションは、なぜ建物自体の価値を保つことが少ないのか、長年不思議に思ってきました。なぜならば、私の母国オーストラリアの場合は、市場の動きにもよりますが、原則として好景気の循環を待ちさえすれば、買った価格より高く売れることが多いからです。

 今考えればオーストラリアはデフレにまみれていないこともありますが、マンションの建物自体を長い年数維持できるようにしっかりと建設しているし、よくきれいに改装します。これはオーナー中心型システムです。

 日本のマンションはどう見ても、長年もつように建設されていないようです。したがって、ごく一部の豪華マンション以外のマンションの価値は、買った日から当然下がっていくはずです。日本では、マンションのオーナーよりも建設会社を明らかに優先していて、オーナーを犠牲にしているように見えてなりません。国として住宅ストックを重んじる考え方も乏しいです。

マンション建て替えやすく-日経新聞1/4日 朝刊1Pより

【マンション建て替えやすく 同意3分の2に条件緩和
政府方針 耐震化・住宅投資を促す】

 「政府は老朽化したマンションの建て替えを促すため、区分所有法など関連法制を見直す。専有面積などに比例する「議決権」の5分の4以上の同意を必要とする決議条件を3分の2程度に減らし、建て替えをしやすくすることが柱。共用部分の改修も4分の3以上の同意から2分の1超にする方向。都心などで増える中古マンションの安全性を高めるための投資を後押しする狙い。2013年の通常国会に法案を提出する方針だ。…」

上記の記事のように2012年(平成24年)、新年早々朗報が2つ発表されました。

1つ目は、日本経済新聞14版1月4日(水)付けの1面に「マンション建て替えやすく」と3面に「区分所有法」が載りました。

マンションの建て替えなどの条件は、記事にある通りです。これらが発表通りとすれば、2年後の2014年(平成26年)度中にも関係法令などが改正となり、3年後の2015年(平成27年)以降「建て替え」の条件などが緩和されそうです。

築30年以上経過した「分譲マンション」は、記事にある通り2009年(平成21年)には約100万戸でした。これが7年後の2019年(平成31年)には、200万戸を超えることになります。

これまで建て替えに慎重であった方々も、例えば、別の土地に新たにマンションを建て替えることも可能になります。

また、全国には約11万件(約570万戸、1件平均約52戸)のマンションが建てられており、毎年約1.5万件~約1.7万件(約80万戸~約90万戸)が新築されております。このうち、建て替えが済んだり計画が決まっているのは、約180件(約9,400戸)に過ぎません。今後、様々な検討がなされて行くものと思われます。

2つ目は、同じく日本経済新聞14版1月5日(木)付けの5面に「マンション役員外部起用可能に」という記事です。

巷で良く言われている「管理組合の役員のなり手がいない」という問題に対する一つの解決策として検討される、というものです。

この記事によれば、専門家である「建築士」、「マンション管理士」、「弁護士」などが役員(理事や監事)になれるようにする、というものです。

専門家が役員となることで、反社会的勢力がマンションに入り込んで来るのを防止するのに役立ちます。また、改修工事などで管理会社の関連会社や関係事務所などに過剰に高い金額で工事を発注することが出来ないようにすることも可能となります。